2009年09月09日

千の風になって

●千の風になって(新井満作曲・訳詞)

テノールの秋川雅史さんが歌って大ヒットしました。“私のお墓の前で泣かないでください、そこに私はいません”という歌詞と、美しいメロディが印象的な曲ですね。

原曲もとても良いのですが、セイ・オーワダの編曲が冴えに冴えています。クラシック調の美しいテーマがパート間を渡りあるきつつ伸び伸びと歌われていくうちに、次第にポップス調の軽いノリに変わっていきます。しかもリズムパターンも次々に変化していくので、聞いていても、吹いていても、まったく飽きません。

それだけではありません。さらにもう一つ仕掛けが……。

どんな仕掛けかは、当日のお楽しみです。
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2009年09月08日

アテニャン:バスダンス“ラ・ブロス”

「晴れの日」のテーマ曲です。オープニングに演奏します。

●アテニャン:バスダンス“ラ・ブロス”

ピエール・アテニャンは16世紀フランスの楽譜出版者です。フランスで初めて活版による楽譜出版を始めた人で(1528年)、クローダン・ド・セルミジやクレマン・ジャヌカンのシャンソンなどを盛んに出版しました。

バスダンスとは、中世からルネサンスまで流行った宮廷舞曲の一つ。床に足をすべらせるように、荘重に歩くことを動きの基本としたダンスです。

とはいえ、私たちはオープニング曲として演奏しますので、少し速めのテンポで、華やかに演奏しようと思います。

この曲は、2分の4拍子で始まり、4分の6拍子に変わり、さらに2分の3拍子にと、拍子が変化していきます。その変化が面白いのではないかと思います。

「ブロス」というのはブラシの意味だそうですが、なぜブラシがタイトルになっているのか、よくわかりません。
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2009年09月07日

モーツァルト:フルート四重奏曲第4番

●モーツァルト:フルート四重奏曲第4番 K.298

モーツァルトの珠玉のような4曲のフルート四重奏曲集から、最も愛らしい第4番を全曲演奏します。国分寺在住の作曲家・服部完治さんの編曲です。原曲のイ長調からヘ長調に移しています。AATB。

第1楽章アンダンテ。変奏曲で、テーマのあと、各パートが入れ替わりにソロをつとめて楽しい変奏を聞かせます。ソロは、テーマと第1変奏が第1アルト、第2変奏がテナー、第3変奏が第2アルト、第4変奏がバスの順です。

モーツァルトの「アンダンテ」はどのぐらいのテンポと解すべきか、議論のあるところです。バロック時代のアンダンテはかなり速かった、と言われています。この原則はモーツァルトあたりを端境期にしているようなのですが、それではモーツァルトはどちらなのか、と。

この曲の場合、あまり遅くても速くても具合が悪いと思いますので、テーマは中庸のテンポ、第1変奏で少しだけテンポを上げるぐらいの感じがいいかなと。全体にスピード感が失われないことが大事ではないかと思います。

第2楽章はメヌエット。トリオ入りです。1拍1拍のリズムをはっきりと打ち出したメヌエット主題と、流れるようなトリオの対照が素敵です。

第3楽章ロンド、アレグレット・グラツィオーソ。軽快なでおしゃれなロンド。ついアレグロ・アッサイで飛ばしたくなりますが、自筆譜には「あまり速すぎず、あまり遅すぎず、そうそう、愛想良く、上品に、表情豊かに」と書かれているそうです。ここはひとつ、テンポを少しおさえて、上品に、優雅に。

この曲は、吹いても、聞いても、楽しめる曲だと思います。内容もリコーダーにぴったりで、まるではじめからリコーダーのために作曲されたかのようです。

第一部のトリをつとめる曲です。
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2009年09月05日

《ゴルトベルク変奏曲》組曲

●J.S.バッハ:《ゴルトベルク変奏曲》組曲

「ゴルトベルク変奏曲 BWV988」は、不眠症に悩むカイザーリンク伯爵が、眠れぬ夜を快活に過ごすことができるようにバッハに作曲を依頼した曲とされています。

ゴルトベルクの名は、この曲を最初に演奏したとされるバッハの弟子、ヨハン・ゴットリープ・ゴルトベルクにちなんでいますが、ゴルトベルクが本当に初演者かどうかについては、当時14歳のゴルトベルクにこの難曲が演奏できたはずはないと疑義が呈されています。

まことに美しいアリアが最初と最後に登場し、その間を30の変奏曲が埋めています。
全曲演奏すれば70分以上かかる大曲です。

私としては別に全曲演奏してもいいのですが、それでは聞く方が大変ですから(^_^;)、両端のアリアと、変奏曲を5つ選んで演奏することにしました。

笛化するにあたって最初に悩んだのは調性です。リコーダーでは♭系の調…ヘ長調とか変ロ長調が吹きやすいのですが、今回は原曲通りのト長調にしました。

(1) アリア
 3声の美しい曲。『羊たちの沈黙』などいろんな映画やCMにも使われているので、お馴染みのメロディではないでしょうか。
 サラバンドのリズムを持っているので、1拍目が短めで、2拍目に(軽い)アクセントのあるサラバンドのリズムを活かした演奏ができればと思っています。
 最後に息の長〜いフレーズがあり、管楽器泣かせです。
 3/4拍子。編成はSTB。

(2) 第1変奏
 2声の快活な曲…なのですが、今回はこれを3人で演奏します。リコーダーは音域が狭いので、1声部1人だと音域に収まらないのです。2つのメロディを3人で……常に誰か1人が休んでいるという間抜けな編曲です。でも、そこが面白いかも。
 3/4拍子。STB。

(3) 第2変奏
 3声の曲ですが、4人で演奏します。テンポはアレグレットぐらいかな。
 2/4拍子。SATB。

(4) 第3変奏“1度のカノン”
 厳格なカノンです。第1声部と第2声部が全く同じメロディを演奏します。
 それに自由な低音部が加わって、全体は3声の曲になっています。
 この低音部、ブレスの場所がないので、吹くのはなかなか大変です。
 12/8拍子。SSB。

(5) 第10変奏「フゲッタ」
 4声のフゲッタ。フゲッタとは……よくわかりませんが、フーガのちっちゃいの、というぐらいの意味かな。
 2/2拍子。SATB。

(6) 第30変奏“クォドリベット”
 当時流行っていたメロディを16小節にギュッと詰め込んだ曲。
 1回目と繰り返しとで、少し声部間のバランスを変えて演奏してみようと思っていますが、はたしてどこまで成功するでしょうか…。
 4/4拍子。SATB。

(7) アリア
 もう一度、はじめのアリアに回帰して終わります。
 今回の編曲では、最初のアリアは3人で演奏しますが、最後のアリアは4人で演奏します。
 3/4拍子。SATB。

それぞれ良い曲ばかりですし、1曲1曲は短いので、退屈せずに聞いていただけるのではないかと思います。
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2009年09月02日

ちんちん千鳥+中国地方の子守唄

当日のプログラムに載せる曲目解説をそろそろ書いていますが、スペースの関係でどうしても簡単なものになってしまうので、少しこちらに書きたいことを書いておきます。
順番はテキトー。気まぐれ更新です。

●ちんちん千鳥+中国地方の子守唄(近衛秀麿作曲・北原白秋作詞+岡山県民謡)

第二部の最初に演奏する曲です。チラシには「ちんちん千鳥」とだけ書きましたが、今回のアレンジでは「中国地方の子守唄」と合体しています。

歌詞を記しておきます。

 ちんちん千鳥

 ちんちん千鳥の啼く夜さは
 啼く夜さは
 硝子戸しめてもまだ寒い
 まだ寒い
 
 ちんちん千鳥の啼く声は
 啼く声は
 あかりを消してもまだ消えぬ
 まだ消えぬ
 
 ちんちん千鳥は親ないか
 夜風に吹かれて川の上
 川の上
 
 ちんちん千鳥よお寝(よ)らぬか
 夜明の明星がはや白む

千鳥は冬の季語になっています。
北原白秋の詩がいいですね。
冬の夜、千鳥の声が哀しげに響くようすが歌われていますね。
近衛秀麿がそれに何とも美しいメロディをつけました。

 中国地方の子守唄

 ねんねこしゃっしゃりませ
 寝た子のかわいさ
 起きて泣く子の
 ねんころろ つらにくさ
 ねんころろん ねんころろん

 ねんねこしゃっしゃりませ
 きょうは二十五日さ
 あすはこの子の
 ねんころろ 宮詣り
 ねんころろん ねんころろん

 宮へ詣った時
 なんと言うて拝むさ
 一生この子の
 ねんころろん まめなように
 ねんころろん ねんころろん

岡山県西南部に伝わる歌を、昭和3(1928)年に山田耕筰が編作したものだそうです。

「つらにくさ」とは「面憎さ」ですね。
「顔を見るだに憎々しい」というぐらいの意味でしょう。
一瞬ドキッとしますが、よく味わうと、子を大切に思う気持が伝わってきます。
と同時に、子どもに泣かれてなんとも切ない気持になる親心も。
子をもつ親なら、誰でも経験があるのではないでしょうか。
そうした両方の親心が、「つらにくさ」という一言で見事に伝わってきますね。

「五木の子守歌」には、「起きて泣く子のつらにくさ」という、全く同じフレーズが出てきます。
これはもしかしたら、日本では広く言われたフレーズではないかと、ふと思ったりしました。

嬰児の生存率が今よりはるかに低かった昔のことを考えると、赤ん坊を思う親の気持ちがなおさら切実なものに思えてきます。

「まめ」というのは、「達者」「元気」という意味です。

「ねんころろん」というあやし言葉が印象的です。セイ・オーワダの編曲でも、「ねんころろん」のモティーフが巧みに使われています。

「ちんちん千鳥」と「中国地方の子守唄」の両方に共通するのは、「夜」ですね。

しっとりとした日本の夜の風情を味わっていただければと思います。
posted by イネガル at 22:05| Comment(0) | 第1回コンサート曲目メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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