2009年09月14日

モーツァルト:もう飛ぶまいぞ

モーツァルト『フィガロの結婚』からもう1曲は「もう飛ぶまいぞ」です。

オペラの中の順番では、「もう飛ぶまいぞ」のほうが「恋とはどんなものかしら」よりも先に歌われるんです。「もう飛ぶまいぞ」は1幕の最後、「恋とは…」は2幕の序盤で歌われます。

●モーツァルト:もう飛ぶまいぞ〜歌劇『フィガロの結婚』

フィガロ(バリトン)が出征するケルビーノに歌う励ましの歌。……といっても、内容を見ると、激励に見せかけた皮肉の歌なんです。

ご婦人たちの尻を追いかけ回しているケルビーノを、花から花へ飛び回る蝶々に喩えているんですね。で、出征してもうそれができなくなるから、「もう飛ぶまいぞ、この蝶々」と。

なぜかというと、自分の女房にまで手を出されて怒った伯爵が、ケルビーノをクビにする代わりに徴兵を命じたんです。兵士として戦争に行かなければならない。フィガロだって、自分の婚約者に手を出されているわけですから、反対のわけはない。きっと「ざまあみろ」ぐらいに思っているでしょう。

そのために、激励に見せかけた皮肉の歌を歌う、それがこの「もう飛ぶまいぞ」なわけです。

歌詞の内容を要約すると、「もう女たちを惑わしには行けないぞ。重い荷物背負って泥道を行進だ。軍人の栄光めざしていざ行け!」というようなことになりましょうか。

北御門さんのアレンジ、編成はSATBで、フィガロの歌は、はじめのうちはソプラノが担当しますが、曲の中ほどからは主にバスリコーダーが担当します。ハーモニーを支える低音部が、ほぼそのままフィガロの歌になっているわけです。

私たちの耳は、何気なく聞いているとつい高い音ばかり追いかけがちになりますが、低音部にも注目して聞いていただくと、より曲の全体像が見えてくると思います。
posted by イネガル at 01:00| Comment(0) | 第1回コンサート曲目メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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