2010年08月22日

七つの子

《フーガな「秋」 −服部完治特集−》最後の1曲は、服部さんに演奏に加わっていただいて、服部さんの編曲による

●七つの子(服部完治編曲)

を演奏します。

野口雨情作詞、本居長世作曲。

 七つの子
 
 烏 なぜ啼くの
 烏は山に
 可愛七つの
 子があるからよ
 
 可愛 可愛と
 烏は啼くの
 可愛可愛と
 啼くんだよ
 
 山の古巣に
 いって見て御覧
 丸い眼をした
 いい子だよ

歌詞の「七つの子」というのは、七羽の子なのか、七歳の子なのかで、意見の違いがあるんですね。
私は当然のように七羽の子だと思っていたのですが、「山烏」というこの詩の原型と思われる詩が雨情にあって、それを読むと七歳説に傾くらしい。

 山烏
 
 烏なぜ啼く
 烏は山に
 可愛い七つの
 子があれば

七歳を七つというのは普通の言い方であるのに対して、七羽を七つというのはイレギュラーな言い方である。
七羽説では、「七つの子」の場合、子どもらしいやさしい言い方をしているので七羽を七つと言い換えた、と解釈することになりますが、「山烏」では子どもの言葉を使っていないのだから七羽なら七羽と書くはず、したがってこれは七歳の意味である、ということになるようです。

「烏の七歳は子どもではないのでは?」とも思いますが、「人間でいえば七歳ぐらいにあたる可愛い子」と解釈できると。なるほど。

面白いのは、さらに別の説があって、それによれば、なんとこの七つの子は、人間だというのです。
烏が、山に遊びに来たんだか、迷い込んだんだかわかりませんが、七歳の人間の子どもを「可愛い可愛い」と啼いているというんですね。
ちょっと意表を突かれる解釈ですが、これはこれで面白い。

以上、『「童謡」の摩訶不思議』(2003年、PHP研究所)という本を参考にしました。

さて、服部版はSATBの4声。

トップのソプラノがほぼ一貫してメロディを奏で、他のパートは変幻自在にそれを彩ります。

遊びながら編曲したとおぼしき、楽しい一曲に仕上がっています。

(イネガル)
posted by イネガル at 00:11| Comment(0) | 第2回コンサート曲目メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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