2010年08月15日

モーリー:四月は愛しき人の顔

「さくらさくら」に続く《いにしえの「春」》2曲目は、シェイクスピアの時代のイギリスに飛びまして、

●トマス・モーリー:四月は愛しき人の顔

というマドリガルを演奏します。

モーリーは、ルネサンス末期のイギリスの作曲家(1557-1602)。シェイクスピアと同時代に生きた人で、シェイクスピアの戯曲の中にもモーリーの曲が使われたりしています。憂鬱さは少しもなく、いつも底抜けに明るいのがモーリーの特色です。

マドリガルとは、16世紀のイタリアで展開された声楽曲ですが、16世紀の後半には、そのイタリア・マドリガーレの影響を受けて、イギリスでもマドリガルが盛んにつくられるようになります。モーリーは、そうしたイギリス・マドリガルの重要な作曲家の一人でした。

イギリス・マドリガルの特徴は、イタリアのマドリガーレとは異なり、「民謡ふうの親しみやすい旋律、軽快なリズム感によって、音楽の自然な流れが尊重され、イタリア・マドリガーレの深刻で内的な表現は意識的に避けられている。イタリアのマドリガーレが宮廷人や人文主義者たちを中心とした貴族的な通人のための芸術であったのにたいし、イギリス・マドリガルは抬頭しつつあった中流市民に基礎をおいたアマチュアのための音楽であった」(皆川達夫『中世・ルネサンスの音楽』講談社現代新書)。

ということで、私たちも、明るく、軽く、感情豊かに歌うことを心がけたいと思います。

こんな歌詞です。

 April is in my mistress' face,
 And July in her eyes hath place,
 Within her bosom is September
 But in her heart a cold December

私なりにざっと訳してみました。

 四月は愛しき人のかんばせ
 目には七月
 胸の内は九月
 されど心の中は冷たい十二月

「心の中は冷たい十二月」というのがどういうニュアンスなのか、背景となっている事情がわからないために、よくわかりません。
彼女にフラれているということなのか、それとも、恋人同士ではあるものの彼女になにか深い悩みがあるということなのか…。

この曲のリコーダー用楽譜は売ってないと思います。私がイギリス・マドリガルを集めた楽譜を見ていて、「あ、これいいな。リコーダーで演奏してみたい」と思い、楽譜をリコーダー用に直したのです。ということで、リコーダー用の楽譜としてはオリジナルです。

(イネガル)

posted by イネガル at 01:00| Comment(0) | 第2回コンサート曲目メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。