2010年08月29日

ペチカ

《ジャズの「冬」》の2曲目は、

●ペチカ

北原白秋作詞、山田耕筰作曲。


 ペチカ
 
 雪のふる夜はたのしいペチカ。
 ペチカ燃えろよお話しましょ。
 むかしむかしよ、
 燃えろよ、ペチカ。
 
 雪のふる夜はたのしいペチカ。
 ペチカ燃えろよ、おもては寒い。
 栗や栗やと、
 呼びます、ペチカ。
 
 雪のふる夜はたのしいペチカ。
 ペチカ燃えろよ、じき春来ます。
 いまに柳も、
 萌えましょ、ペチカ。
 
 雪のふる夜はたのしいペチカ。
 ペチカ燃えろよ、誰だか来ます。
 お客さまでしょ、
 うれしい、ペチカ。
 
 雪のふる夜はたのしいペチカ。
 ペチカ燃えろよ、お話しましょ。
 火の粉ぱちぱち、
 はねろよ、ペチカ。


『日本童謡集』(岩波文庫)によれば、「南満教育会用として作ったものの一つ」とのこと。
作曲は大正12年12月、と記されています。

ペチカとはロシア式の暖炉のことですね。
満州の冬はとても厳しいですから、ペチカは身近なものだったでしょう。

松下美千代さんのピアノ用ジャズアレンジを、リコーダー用に再アレンジしてみました。
明るく、温かい雰囲気で、ぬくもっていただこうというわけです。

松下さんの編曲は、冒頭にテーマと関係ないイントロを置き、それを間奏としても使うという素敵なものです。
中ほどで、少しですが、アドリブっぽいフレーズも挟んでいます。

ピアノ用アレンジでは、フェルマータのついた非常に高い音が出てくるのですが、リコーダー用アレンジでは、これを逆に、グレートバスの最低音に置き換えてみました。
自分で言うのもナンですが、これがなかなかいい感じです。

(イネガル)
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2010年08月28日

雪の降るまちを

第4部は《ジャズの「冬」》ということで、ジャズ風のアレンジで3曲お聞きいただきます。最初の曲は、

●雪の降るまちを

内村直也作詞、中田喜直作曲。

昭和26年にラジオで放送された連続ドラマ『えり子とともに』(NHKラジオ)の挿入歌だそうです。
ラジオ番組からヒットした曲なんですね。

歌詞はネットを検索するとすぐに見つかりますが、例えばこちら。
http://www.hi-ho.ne.jp/momose/mu_title/yukino_furu_machiwo.htm

短調で始まりますが、「遠い国からおちてくる」のところで長調に転じます。
単純な仕掛けですが、とてもいいですよね。グッときます。
途中「この思い出を、この思い出を」の二度目のところで、一瞬短調に戻りますが、全体としては長調で終わる。
中田喜直が実にきめ細かく言葉に陰影を与えています。

私たちの演奏は、これをさらにジャズアレンジしたものです。
川田千春さんという方のピアノ用ジャズアレンジを、さらにリコーダー用に直した二次アレンジです。

よくわけのわからない、すごいコードがたくさん出てきます(^_^;)。
吹いていて「この音はこれでいいのか…」と迷ったりすることが結構ありますが、録音をして第三者的な耳で聞いてみると、全体として「あ、それでいいんだ」と思ったりするのです。

しかし、ジャズアレンジというのは面白いですね。
低音を3度とかセブンスにしたり、なんて普通に出てきます。

たとえば前奏部分は、こんなコード進行です。

 │C7 B♭│A♭ G7│C7 B7│

低音ははじめの4つは3度、5つ目のC7では7度になっています。分数表記すると、こうなるわけです。

 │C7/E B♭/D│A♭/C G7/B│C7/B♭ B7│

「低音は原則として根音で」というクラシック和声法のルールが無視されているわけです。
こういう不安定な感じが、ジャズっぽいというか、カッコイイ感じがします。

※「雪の降る街を」と表記していましたが、どうも「雪の降るまちを」のほうが正しいようなので、今後はこちらに改めます。

(イネガル)
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2010年08月26日

「ひばり」の歌詞入手

クレマン・ジャヌカンの「ひばり」の歌詞を入手しました。

読んでみてビックリ!

いやはや、もう、すごいのなんの。
お下品で、お下劣で、えげつなくて…。
よく皆さん、すました顔して演奏してましたね(^_^;)。

ちょっとここに書くのははばかられる内容なので、
当日会場にて紹介する形にしようかと思っています。

(イネガル)

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2010年08月23日

メディカルホームふじみ野でミニコンサート

メディカルホームふじみ野にて(10.8.22)
昨日(8/22)は、埼玉県ふじみ野市にある富家会メディカルホームふじみ野さんの「メディカルホーム納涼祭」にお邪魔して、ミニコンサートをしてきました。

次の曲を演奏しました。

 1、浜辺の歌
 2、夏のメドレー(夏は来ぬ〜われは海の子〜七夕さま)
 3、バロック風《夏》
  われは海の子
  雨
  海
 4、パッヘルベルのカノン
 5、夕やけこやけ
 7、七つの子(アンコール)

10月3日第2回コンサートで演奏する曲目とそうでない曲目とが、ほぼ半分ずつという構成にしてみました。
皆さん熱心に聞いてくださいました。
お馴染みのメロディが流れると一緒に歌ってくださるので、私たちも一体感を感じながら演奏することができました。
こういうのは嬉しいですね。

施設長の大竹裕さんからいただいたメールの一部です。

> 素晴らしい演奏会ありがとうございました。
> 入居者はじめ、スタッフも感動していました。(略)
> また、生演奏の素晴らしさ、力を感じることができました。

過分のお言葉ですが、私たちとしても、リコーダー音楽の楽しさを少しでも知っていただければ、また、それが少しでも誰かの慰めになるのでしたら、こんなに嬉しいことはありません。

次は9月5日、細岡さんに聞いていただく回です。
もうちょっと練習しとこう。

(イネガル)

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2010年08月22日

七つの子

《フーガな「秋」 −服部完治特集−》最後の1曲は、服部さんに演奏に加わっていただいて、服部さんの編曲による

●七つの子(服部完治編曲)

を演奏します。

野口雨情作詞、本居長世作曲。

 七つの子
 
 烏 なぜ啼くの
 烏は山に
 可愛七つの
 子があるからよ
 
 可愛 可愛と
 烏は啼くの
 可愛可愛と
 啼くんだよ
 
 山の古巣に
 いって見て御覧
 丸い眼をした
 いい子だよ

歌詞の「七つの子」というのは、七羽の子なのか、七歳の子なのかで、意見の違いがあるんですね。
私は当然のように七羽の子だと思っていたのですが、「山烏」というこの詩の原型と思われる詩が雨情にあって、それを読むと七歳説に傾くらしい。

 山烏
 
 烏なぜ啼く
 烏は山に
 可愛い七つの
 子があれば

七歳を七つというのは普通の言い方であるのに対して、七羽を七つというのはイレギュラーな言い方である。
七羽説では、「七つの子」の場合、子どもらしいやさしい言い方をしているので七羽を七つと言い換えた、と解釈することになりますが、「山烏」では子どもの言葉を使っていないのだから七羽なら七羽と書くはず、したがってこれは七歳の意味である、ということになるようです。

「烏の七歳は子どもではないのでは?」とも思いますが、「人間でいえば七歳ぐらいにあたる可愛い子」と解釈できると。なるほど。

面白いのは、さらに別の説があって、それによれば、なんとこの七つの子は、人間だというのです。
烏が、山に遊びに来たんだか、迷い込んだんだかわかりませんが、七歳の人間の子どもを「可愛い可愛い」と啼いているというんですね。
ちょっと意表を突かれる解釈ですが、これはこれで面白い。

以上、『「童謡」の摩訶不思議』(2003年、PHP研究所)という本を参考にしました。

さて、服部版はSATBの4声。

トップのソプラノがほぼ一貫してメロディを奏で、他のパートは変幻自在にそれを彩ります。

遊びながら編曲したとおぼしき、楽しい一曲に仕上がっています。

(イネガル)
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2010年08月21日

服部完治:秋のフーガ

《フーガな「秋」 −服部完治特集−》の2曲目は、

●服部完治:秋のフーガ

「虫」とワンセットのようになっているので、「虫」のあと続けて演奏する形になるでしょう。

これもATB3声のフーガとして書かれています。

これまた素晴らしい名曲で、ちょっとバッハを思わせる緻密さと緊張感、そして情感があります。

「虫」と合わせて、リコーダーのスタンダードなレパートリーになり得る曲だと私は考えています。

どんなに良い曲かは、ぜひコンサート会場で実際に確かめてください。

(イネガル)
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2010年08月20日

服部完治:プレリュード「虫」

第3部《フーガな「秋」 −服部完治特集−》は、国分寺在住の作曲家・服部完治さんの作品を特集します。

服部さんは、私たちの笛仲間であるとともに、国分寺音楽祭で作曲を依頼されてオーケストラ作品など数々の曲を手がけるなど、国分寺では有名人の一人です。

コンサートでは、服部さんに壇上に上がっていただき、ご自身のこと、今回の作品のこと、リコーダーのことなど、いろいろお話をうかがいながら服部作品を聞いていただきたいと思っています。

今回メインでお聞きいただく2曲は、いずれもフーガ形式で書かれているので、《フーガな「秋」》と題してみました。

●服部完治:プレリュード「虫」

秋の虫の声を題材にしたフーガ作品。ATBの3声。

フーガのテーマは、なんと同じ音が17個も続くというもの。同じ音が続くテーマというのは、メルーラのカンツォン「うぐいす」の17個というのがありましたし、ヴィヴァルディの協奏曲集「調和の霊感」の中にも15個続くものがあったと思います。もっともヴィヴァルディのほうは、オクターヴで上下するのですが。

「うぐいす」とこの「虫」とは17個でタイ記録。どちらも全部8分音符というところも同じです。でも、「うぐいす」が全て同じリズムで並んでいるのに対して、「虫」は8分音符の間に休符が入っています。曲全体としても、変化に富んでいて、とても面白く聞けると思います。

この曲と次の「秋のフーガ」の作曲はたしか2003年だと思いますが、実はこの両曲の初演メンバーは、服部さんご自身(A)と大友(T)、佐伯(B)の3人なのでした。今回は、Aに酒迎が入っての演奏になります。

ものすご〜く良い曲です。はっきり言って、名曲だと思います。だけど、演奏はとても難しい。リズムを合わせるのが大変なんです。以前に一度やっているから大丈夫だろうと思っていましたが、なかなかそう甘いものではありませんね。でも、本番までには仕上げます。

しつこいようですが、本当にいい曲。ぜひプロの演奏家もコンサートなどで取り上げていただきたいものです。

(イネガル)
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2010年08月19日

《バロック風「夏」》の最終第3楽章は、

●海 〜バロック風「夏」

「海」というと、「うーみーはーひろいーな」の「海」もありますが、「まつばーらーとおくー」のほうの「海」です。
文部省唱歌で、作詞作曲者不詳。


 海
 
 一
 松原遠く消ゆるところ
 白帆の影は浮ぶ。
 干網浜に高くして、
 鴎は低く波に飛ぶ。
 見よ昼の海。
 見よ昼の海。
 
 二
 島山闇に著(しる)きあたり、
 漁火光淡し。
 寄る波岸に緩くして、
 浦風軽く沙(いさご)吹く、
 見よ夜の海。
 見よ夜の海。

昼の海と夜の海の情景をうたった叙景詩ですね。
やや言葉が難しいですが、美しい風景を格調高くうたっています。

リコーダーパートは、アルト、テナー、バス。

8分の3拍子、アレグレット。

「まつばーらー」のリズムをモティーフにして、寄せては返す波のように、フレーズが小さな山となって何度も繰り返し、その中で次第にクライマックスを迎えます。

「みーよ、ひるのーうーみー」というメロディは、最後の最後でかっこよく現れます。

(イネガル)
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2010年08月18日

《バロック風「夏」》の第2楽章は、

●雨 〜バロック風「夏」

北原白秋作詞、弘田龍太郎作曲。

弘田龍太郎は、「浜千鳥」「叱られて」「靴が鳴る」「春よ来い」なども作曲している人ですね。


 雨
 
 雨がふります。雨がふる。
 遊びにゆきたし、傘はなし、
 紅緒の木履(かっこ)も緒が切れた。
 
 雨がふります。雨がふる。
 いやでもお家で遊びましょう、
 千代紙おりましょう、たたみましょう。
 
 雨がふります。雨がふる。
 けんけん小雉子(こきじ)が今啼いた。
 小雉子も寒かろ、寂しかろ。
 
 雨がふります、雨がふる。
 お人形寝かせどまだ止(や)まぬ。
 お線香花火もみな焚いた。
 
 雨がふります。雨がふる。
 昼もふるふる。夜もふる。
 雨がふります。雨がふる。


最後の第五節が効いていますね。
そうか、雨がいつまでも、ずーっと降っているんですね。
降り止まぬ雨なんてものは無いわけですが、これは詩人の心の中を表したものなのでしょう。

リコーダーパートは、アルト1、テナー/ソプラノ(持替)、バス。

アンダンテ。前奏がもう、ヴィヴァルディかバッハそのもの。

繋留の多い内声のロングトーンに乗って、アルト1と2が切なく歌い始めます。

次第に高揚していき、アルト1は最高音域で切なく歌い上げます。チェンバロの右手とアルト1との掛け合いも聞きもの。

後半は少しテンポを落とし、テナーがソプラノに持ち替えて、朗々と歌います。

短いカデンツァがあって、フリギア終止で第3楽章に突入します。

(イネガル)
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2010年08月17日

われは海の子

第2部は《バロック風「夏」》です。

新東京ヴィヴァルディ合奏団を率いる指揮者で作曲家の早川正昭さんの傑作に《バロック風「日本の四季」》というのがあります。これは、童謡などお馴染みのメロディを、春夏秋冬に分けてバロック音楽風にアレンジした室内オーケストラ用作品です。まことに楽しく、また美しい曲集です。

その中の「夏」全3楽章を、リコーダー合奏用に再アレンジしました。リコーダー3本+チェンバロという構成にしてみました。チェンバロは本番では電子チェンバロを使います。メンバーの高橋が担当します。

第1楽章は、

●われは海の子 〜バロック風「夏」

「われは海の子」は、文部省唱歌で作曲者不詳。作詞は宮原晃一郎といわれています。

※曲名を今まで「我は海の子」と書いていましたが、『日本唱歌集』(岩波文庫)を見ると、「われは海の子」と表記されているので、今後はこちらに統一します。


 われは海の子
 
 一
 我は海の子白浪(しらなみ)の
 さわぐいそべの松原に、
 煙たなびくとまやこそ
 我がなつかしき住家なれ。
 
 二
 生れてしおに浴(ゆあみ)して
 浪を子守の歌と聞き、
 千里寄せくる海の気を
 吸いてわらべとなりにけり。
 
 三
 高く鼻つくいその香に
 不断の花のかおりあり。
 なぎさの松に吹く風を
 いみじき楽(がく)と我は聞く。
 
 四
 丈余(じょうよ)のろかい操りて
 行手定めぬ浪まくら、
 百尋(ももひろ)千尋(ちひろ)の海の底
 遊びなれたる庭広し。
 
 五
 幾年(いくとせ)ここにきたえたる
 鉄より堅きかいなあり。
 吹く塩風に黒みたる
 はだは赤銅さながらに。
 
 六
 浪にただよう氷山も
 来らば来れ恐れんや。
 海まき上ぐるたつまきも
 起らば起れ驚かじ。
 
 七
 いで大船を乗出して
 我は拾わん海の富。
 いで軍艦に乗組みて
 我は護らん海の国。


後半の歌詞は一般にはほとんど知られていないのではないでしょうか。私も今回初めて知りました。
後半は漢語が増えて、勇壮な歌詞になっています。
最後はやっぱり、ああ、戦争のほうに話が行ってしまうのですね。残念です。
たしかにこうしてみると、学校で教えている三番までの歌詞が、幼き日の郷愁を磯の香に託して歌っていて、優れているように思われます。

リコーダーパートは、アルト1、アルト2/テナー1(持替)、テナー2。

《バロック風「日本の四季」》の多くの曲では、そう簡単に元のメロディが登場しません(^_^;)。メロディを匂わせておいて、きちんとした形で元のメロディが登場するのは、最後の最後だったりするのです。その登場した瞬間が実に気持ちいいんです。

この楽章は、明らかにフランス風序曲を模しています。前半は付点音符によるグラーヴェ、後半はアレグロ・ノン・トロッポのフーガになります。

このフーガがまことに凝っていて、テナー2のソロで始まるテーマは、どことなく「我は海の子」に似ているけれども違うメロディです。6小節目に、このテーマを追いかけてアルト1が入りますが、アルト1が入ったときに、今までテーマを奏でていたテナーパートに「我は海の子」の冒頭のメロディが聞こえるのです。「わーれはうーみのこ、しーらなみのー」というメロディが。つまり、テーマそのものでなく、新しく入ってきたテーマを受ける対旋律の部分に「我は海の子」のメロディが使われているわけです。

言葉では少しわかりにくいかも知れません。コンサートでは、演奏する前に実際に少し吹いてみて、わかりやすく解説したいと思います。楽しいですよ。

(イネガル)
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